「…あっ!!」
霧が薄れたのでようやくイエローは気付いたのだが、最初に倒れた木の下に、野生のキャ
タピーが挟まれていた。フシギバナから離れ、イエローは急いでキャタピーの元へ向かっ
た。
「危ない、まだ離れるな!」
キャタピーを助け出したイエローの前に、あるものが現れた。
「『ようかいえき』の主か…イエロー、よけろ!!」
「うわぁっ!!」
現れたアーボックが力まかせに体当たりしてきた。キャタピーを抱いてかばいつつ、横に
飛んでよけたイエローは無理な体勢が災いし、そばの石に体を打ちつけ動けなくなった。
ここぞとばかりにアーボックは、『ようかいえき』を吐き出そうとした。

 …何が起こったのか、少しの間はわからなかった。レッドがピカチュウやフシギバナに
ほぼ同時に命令し、何かをしていたのだけはわかった。

 次にイエローが目を開けた時には霧がすっかり晴れ、ゴルバットやアーボックは何処か
へ去っていた。
「大丈夫か?」
レッドやドードー、ピカチュウが駆けつけてきた。
「あれ…?」
イエローとキャタピーはフシギバナのつるに巻かれ、アーボックに追い詰められた場所か
ら違う所へと移動させられていた。イエローは少しだけ、事情を悟った。
「…スミマセン。ボクのせいでゴルバット、逃がしちゃったんですね」
アーボックを相手にしつつイエロー達を助けるには、全てのつるを解放するしかなかった
のだ。すまなさそうにうつむくイエローに、レッドはいいよと笑った。
「その代わり、キャタピー1匹が助かったんだからさ。あのまま放っておけば死んでたぜ、
多分。」
レッドがキャタピーを抱き上げて、顔を出した青空に掲げてみせた。

「霧は晴れたし、アーボックもゴルバットも逃げていった。当分襲われる心配はないよ」
ほい、とイエローのひざにキャタピーを乗せる。
「―?」
「そいつ、イエローと一緒にいたいみたいだぜ。無理もないよな、命の恩人だから」
イエローはキョトンとして、嬉しそうに自分を見上げるキャタピーを見た。つまり自分は
バトルなくして、このキャタピーを捕らえてしまったようだ。何だか嬉しくなった。
「じゃあ、今日からお前も一緒だね」
ふわっと笑って言うイエローの顔から、一瞬レッドは目が離せなかった。ある思いが彼の
中を、電撃のように走り抜けた。

 ポウ…と、イエローの手から淡い光が発される。その光を受けたキャタピーは、木に挟
まれた時の怪我を完全に、体から消してしまった。
「それ…さっき、コラッタにもやってた…」
不思議そうに呟くレッドの前で、コクンとうなずいたかと思うと。次の瞬間にはイエロー
は、座った姿勢のままキャタピーと共に気持ち良さそうに眠ってしまった。
「お、おーい? イエロー?」
これはイエローにはいつもの事なのだが、レッドはこんなに唐突に、しかも道端で眠りこ
んでしまったイエローに唖然とした。
「ったく…無防備な奴だなぁ」
その苦笑には何処となく、微笑ましい表情が入っていたのは言うまでもない。
「いい根性してるよ、ほんと。なぁピカ…」
ピカチュウはレッドと共に、ニコニコ微笑みながら心からうなずいた。

 不意にレッドは、真剣な面持ちになった。
「(それにしても…霧に紛れての攻撃はともかく、最初の不意打ちの『ようかいえき』は…
どうして直撃させなかったんだ?)」
一方的に仕掛けられたバトルの間中、レッドには気になっていたことだ。あの最初の一撃
が当たっていれば、勝利がどちらのものになったかは明らかだった。
「(目的があってのことか…それとも、何かの理由で攻撃が外れた?)」
何にせよ、とレッドは腕を組んだ。
「予想以上にシビアな旅になりそうだな、ピカ」
とりあえずピカチュウはうなずいた。
「ったく…ブルーの奴…」
不服そうな口調ながらもレッドの表情は、不敵な光を放つ笑みに変わっていったのだった。

                     *

「…」
少し前からゴールドは、自分の後をずっとついてきている足音に気が付いていた。
「いーか、エー太郎…」
ぼそぼそと、何かを小声でエイパムに指示する。エイパムはいたずらっぽい表情でにっか
と笑うと、何処ぞへと消えていった。

 そして、しばらくすると。静かだった道に、女の声のような悲鳴が聞こえた。
「きゃあっ!?」
「―誰だ!?」
素早くゴールドが、声のした方向まで道を逆走する。行った先では木の枝に尻尾でぶら下
がったエイバムが驚かせた尾行人が、座り込んでいた。
「…あ? クリス?」
「エイパム…ってことは、ゴールド?」
2人は驚いた顔付きで、突然現れたお互いを見ていた。
「何だよ、オレ様をつけてたのはお前だったのか。何のつもりだよ?」
「それはこっちの台詞よ! 急にエイパムで人を驚かせるなんて、何のつもりなのよ!」
大体私、あなたをつけてなんかいなかったわよと、クリスと呼ばれた少女は怒って言い返
した。
「じゃー何でこんなとこにいんだ? ここはもうカントーと言ってもいい場所なのに、ジョ
ウトにいるはずのお前がいる道理はねーじゃんかよ」
「それはゴールドだって同じことでしょ?」
「あー? オレ様はちゃーんと、可憐なお嬢さんを助け出すっつー使命を負ってここまで来
たんだよ!」
へっへーんと言い放つゴールドに、負けじとクリスは言い返した。
「そんなの、私だってちゃんと、マサラのオーキド国王に頼まれた仕事があって来たんだか
ら! チャランポランなあなたと一緒にしないでよね」
ふんと立ち上がるとクリスは、颯爽と歩き出してゴールドに背を向けた。
「ゴールドこそ、妙な言いがかりつけて私の後つけてこないでね」
振り返り様に、仕返しをせんとばかりに笑って言い放った。
「ぁにーっ!? てめー、ちょっと待てよ!!」
そのまま2人は何やかんやと言い合いつつ、結局、どちらともなく道中を共にすること
になったようだ。既に太陽が、山の際まで沈みかけている頃合いだった…。

                     *

「…。うーん…」
レッドとイエローは先程からずっと、ぐるぐるとトキワの森の中を歩き回っていた。
「ダメだな…完全に迷ったな、こりゃ…」
ふうっと溜め息をつくレッドに、イエローがすまなさそうにする。
「ごめんなさい、ボクが夜まで眠っちゃってたから…そのせいですね」
「いや、先を急ごうとして夜の森で前に進もうとした俺が悪かったんだ。気にすんなよ」
これ以上歩いても、更に迷うだけだ。2人は適当に小枝を拾い集めると、焚き火を囲みつ
つ向かい合って座り込んだ。

「ところでこれから、ボク達は何処へ行くんですか?」
実に素朴な疑問を口にするイエローに、そう言えば…とレッドは考え込んだ。
「特に決めてねーなぁ…とりあえず旅ってのは、行きたい時に好きなとこへ行けばいーの」
「好きなとこ、ですか…」
「ま、目的は人それぞれだから、好きにと言っても自ずと道が開けてくるけどな。イエロー
は何で旅をしてたんだ?」
少しの間、イエローは考え込んだ。ブルーと約束したのだから、アマリロであることがわ
かるようなことは口に出してはいけない。
「ボクは…人を、捜しているんです。昔に一度だけ会ったことのある人を」
やっぱりそれは、目の前にいるこのレッドのような気がする。しかし確証は記憶に頼るの
みなので、今は何とも言えなかった。というのも…2年前のあの時の事は、どうしてなの
かイエローも、おぼろげにしか覚えていないのである。
「へーっ、人捜しか〜。俺と同じだな!」
「えっ?」
意外な事を言い出したレッドに、イエローはドキリとした。
「俺も人を捜してるんだ。2年前にちょっと、な」
少し遠い目をして焚き火を眺めるレッドのことが、目から離せない。
「あ、あの…誰を捜しているんですか?」
「ん?…それは内緒」
にっこり笑ってこちらを見るレッドに、それ以上のことは尋けそうになかった。
「イエローこそ、誰を捜してるんだ? 男? 女?」
「えっと…男の人です。でも名前とか全然知らなくて、顔もはっきりとは覚えてなくて…」
本当に、記憶がせめてもう少しはっきりすればいいのに。それって見つけられるもんなの
か? と不思議そうに言うレッドに、苦笑するしかないイエローだった。


 …深い深い、森の奥。ある一つの木の上に立っていた影が、ポツリと小さな声で呟いた。
「早く森を出てくれないかな…じゃないと、本気で遊べないもの…」
影の足元で、通信具のような小さな装置から誰かの声が響いた。
≪それはそれは、さっきはじゃあ悪いことをしたねぇ。森を少し傷つけてしまったよ≫
「…。…次やったら、許さない。それはわかっているはずだ」
≪フェフェフェ…あの方にも同じことを言われそうだ。肝に命じておくとするかね…≫
前触れもなくプツっと途絶えた通信に、影はふんと胸をそらした様子だ。
「やっと、会えるね。…イエロー」
その影の足元では、ピカチュウらしき黄色くて小さな姿が不安気に、影のことを見上げて
いた。

                     *

「…近い。もうこの辺りは、カントーのトキワ王国の区域に入っているのね」
何やらマサラのオーキド国王作、ポケモン図鑑なる装置に見入っているクリスに、ゴール
ドは退屈そうに頭を抱えた。
「図鑑で何が見つかるってんだよ。それより今日は野宿になるから、てめーもとっとと準
備したらどーだよ」
手早く折り畳みテントを広げ出す。我関せずのクリスはひたすら図鑑をにらみ、手持ちの
カントー詳細図と地図の照合をしていた。
「さってと。オレ様もじゃあちゃんと、お仕事のことでも考えますかね」
ポケギアに送られてきたイエローの写真を見て、にひひと笑う。
「可憐な王女様かぁ〜…いーよな。同じ助けるならこうでなくちゃな。どっかのガチガチ
と違って」
「何ですって!?」
聞き捨てならんとばかり、クリスが図鑑からぱっと目を離した。
「いつ私があなたに助けられたって言うのよ! 大体そのガチガチっていうの、いい加減に
やめてよね!」
「あんだよー。オレは今一度も、クリスのことだなんて言った覚えはねーぜ。言われて怒る
のは気にしてる証拠だろ」
してやったりと笑うゴールドに、うっかりのってしまったクリスは悔しそうに手を握り締
めた。流石に覚えてなさいよとまでは、あまりにも常套句なので口には出さなかった。

 そしてそんな2人を、何処かの木の陰から黙って見ている人物がいた。
「…こちらの方はおそらく、予定通り。以後、監視を続ける」
腕のポケギアに向かってこそこそと喋ると、返ってきた声はやたら明るかった。
≪おっけー♪ そっちもあっちも頑張ってちょうだいね、シルバー≫
その声は何と…イエローを旅に送り出し、レッドの帽子を持っていったあのブルーだった。
シルバーと呼ばれた少年はコクンとうなずくと、黙って通信を切った。

 何やらレッドとイエローの2人を取り巻く水面下では、様々な事柄が進みつつあるよう
だった…。

                     *

「うーん…これは本格的に、まずいかもな」
「…?」
朝になって再び歩き出したレッドとイエローは、まだまだ迷っていた。
「多分俺達、昨日うっかりと妖精の縄張りに入ったのかもしれない。トキワの森は本道さえ
歩いてれば迷うことなんて滅多にないけど、少し奥に入るとポケモンやら妖精やらの宝庫
だって話だからな…」
それはイエローも聞いたことがあった。ポケモンはポケモンで野生なら用心が必要だが、
妖精はまたポケモンとは一味違って、少しばかり困った存在なのだ。滅多に人間の前には
姿を現さないが、人間が間違って妖精の棲家に近付いたりすると、魔法で結界を張って道
を迷わせたり、色々ないたずらを仕掛けてきたり、こちらに悪気が無くても痛い目を見る
ことになるのだ。
「じゃあこんなに迷ってしまうのは、妖精のせいなんですか?」
「あくまで可能性だけだけど…俺今までトキワの森歩いてて、ここまで迷った事なんて早々
ねーもん」
それはイエローも同じだ。イエローにとってはトキワの森は、小さい頃からのご近所さん
である。

「とにかくこのままじゃ、らちがあかな…―おっ?」
茂みに何やらレッドは、水色の二本の、垂直な物を見つけた。
「何だこれ…えっ!?」
「いったぁぁぁーい!! 何すんのよ!!」
二本まとめてひっつかむと、草の中から妙な物が現れた。
「えっ…ウサギのぬいぐるみ?」
レッドが掴んでいたのは、妙な形のぬいぐるみのような生物の耳だった。
「とにかく離さんかい!! 痛くて仕方ないっつーの!!」
「あ、ごめんっ」
慌ててレッドが手を離すと、その水色のウサギに似た生物はレッドの顔の高さまで浮かび
上がった。言葉の通り、空を飛んでいるのだ。羽も翼も無しに。
「オイこら!! 一体何のつもりなのよ!! 急にヒトの耳つかんで引っ張り上げるなんて!!」
怒ってはいるのだろうが、やたら大きな青い目とネコのような形の口のせいで、あまり迫
力は無い。
「悪い悪い、耳しか見えてなくて何かな〜と思ってさ」
「あのー…君、ポケモンなの?」
不思議そうな丸い目で尋ねるイエローに、水色ウサギはちっちと短い手を振った。
「ポケモン? この私が? 甘い甘い! これだから人間は!」
「おぉーい。アルファラム、どーしたの?」
水色ウサギのいた茂みから、もう1匹。今度はネコもどきとも言うべき淡いピンクの生物
が、これまた空を飛びつつやってきた。レッドとイエローはひたすらポカンとした。

「自己紹介が遅れたわね。私はかのリュミエール一族第1位、アル・ファラム! アルファ
ラム・クリストファー・李・カルメン・猫柳・アブダッタ!!」
長。とは誰もが思うことだろう。
「そしてアタシは第4位、シータリン。シータリン・猫柳・アブダッタ」
とどのつまりはウサギもどきがアルファラム、ネコもどきがシータリンということだ。
右がアルファラム、左がシータリン
「…名字が長い方が、位が高いの?」
「その通り!! でも私達は位の壁を越えた、厚い絆で結ばれているの」
びしっと言うアルファラムに、シータリンがにこっと微笑む。
「だって双子だもん。ねー、ラムちゃんv」
「うん、リンv」
2人の世界という感じな2匹に、レッドとイエローはこっそり肩をすくめあった。
「双子って…全然似てないじゃん…」
「でも目だけは何か、同じ形してますよ。それとも姿なんてこの際、関係無いのかも…」
「とにかくだ。なーなー、一つ尋いていいか?」
およっと2匹は、同時にレッドを見た。
「さっきから俺達、ずっと道に迷ってるんだ。どうしたら森から出られるのか、教えてくれ
ないか?」
およおよ〜と2匹は、同じ仕草で考え込んだ。
「森から出せってさー。…どーする? リン」
「どーするも何も、アタシ達に何をしろってゆーのさ?」
「そりゃ、道案内でしょ」
「えーっ。めんどくさ〜い。何であんな奴らにコキ使われなきゃなんないの?」
何でもいいから、わかるもんなら早く教えろよ。にっこり笑いつつ怒りを抑えるレッドに
イエローはハラハラした。

「…よォーっし。リンとの相談の結果、一大クイズバトルを開催することに決定したわ!」
がくーっ…せめて普通のバトルなら、このいちいち小うるさい生物達をのしてやるのに。
レッドの思惑がわかってか、イエローはただ苦く笑った。
「それでは、第1問! 原子番号92の原子量238.0の元素の名前は!?」
「あのなーっっ!! それじゃクイズじゃなくて化学だろー!!!!」
アルファラムはふーんとすましている。
「―はいっ。ウランのことだと思います!」
イエローがぱっと手を上げて答えると、大正解ー! とシータリンが喜んだ。
「君、凄いー。これって高校レベルの問題だよォ」
本気の現役高校生だってそこまで細かい事を覚えてるかどうかは怪しい。というか覚えな
くて良い。
「それじゃ、第2問。10族元素で最初に出てくる遷移元素はなぁーんだ?」
またこれかい、とアルファラムにキレかけるレッドを抑えつつ、イエローはすらすらと答
えた。
「コバルトです」
「当ったりー! 君ほんと、何モン?」
それじゃーラスト行くよと、アルファラムは立て続けに言った。
「ウランとコバルト。これらの上位に立っていて、1番強いのは!?」
…。少しの間、沈黙が流れた。
「あのー…。問題ほんとに、それだけなんですか?」
「うん」
2匹が同時にうなずく。えーっ???  首を傾げるイエローの後ろで、レッドが不敵に笑
い出した。
「なーんだ、最後のが1番簡単じゃん。そんなの、ウランやコバルトより強いのはアトムに
決まってんだろ!」
…へっ? 某有名漫画家の有名キャラクター達というその発想に、イエローは目を丸くし
た。アルファラムとシータリンも目を見合わせた。

「くう…残念だけど……正解ー!!」
いぇーいとガッツポーズをとるレッドのバックに、どーいう魔法かファンファーレが鳴り
響く。アルファラム達は心底驚いたように、レッドを見直していた。
「あんたやるじゃんー。この問題だけは、私達のとっておきだったのにぃ」
「君もあの子も凄い凄い♪ アタシ達のクイズに全問正解出来たの、君達だけだよ♪」
2人は一度くるっと背中を向けると、最初に出てきた茂みから、何かを取り出した。
「見事、景品は君の物!! もうストレス解消グッズにするなり呪いの釘打つなり、好きに
してね〜♪」
そう言って2人がレッドの方によこしたのは。全身がピンク色で満面笑顔の、ウサギもど
きなぬいぐるみだった。
  オレンジ(笑)?
「こ…これは…」
目が点のその妙ぬいぐるみに、レッドの目も合わせて点になる。
「私達ペアの宿敵の等身大ぬいぐるみ。可愛くないでしょー」
「やっと手放せたね、ラムちゃん♪」
「うんうん♪」
2匹は楽しそうにくるくると空中を舞うと。
「それじゃ、会えて良かったわ。またねー♪」
「ばいばーい♪」
そのままふわふわと、何処かに飛んでいってしまった。最早すっかりと、クイズを始めた
最初の目的である「道案内」を忘れ切っていたようだ。
「ってちょっと、待てよー!!!!」
レッドが急いで後を追いかけたが、既に姿は見えなくなっていて無駄だった。
結局、何だったのやら…イエローも景品のウサギと同じように、目を点にしたままぼーっ
と考えていた。

「あーあ…これじゃいつになったら、森を出られるのやら」
恨めしそうにウサギを振りまわしつつ、レッドは呟いた。
「でもそのぬいぐるみ、ボクは結構好きです」
そうか? レッドは改めて、ピンクウサギを眺めてみた。
「…んじゃ、イエローにやるよ。後は好きにしろ」
「ホントですか? 有難うございます! …何て名前付けようかな…」
イエローは本当に嬉しそうだった。物好きだなーとレッドは苦笑しつつ、眼前の複雑にい
りくねった獣道に、もう一度大きな溜め息をついた。
食料が底をつかない内に、何とかしないと。大体元々旅に出る気は無かったので、大した
手持ちもなかったりした。
 
 実は意外にシビアな状況ではあったが、とりあえずイエローが楽しそうなので、良しと
したレッドだった。

何やら、ゴクリの予感が…と言ってもレイエ以外、マトモに書く予定は無いですけどね。
だってレイエですらマトモに書けてないんですもんv(半分ヤケ)
オリキャラっぽいのもちょいと出始めました。正体は少しずつ、話の展開と共に。
一部他人のキャラの影響を受けた部分があります。やたら長い名前とか。
高校レベルのクイズはすみません、3番の問題につなげたかっただけです(寒過ぎ)
ちょっと世代古いですな。にしてもどうして、アトムだけ元素の名前じゃないんだろう。
ちなみに景品のピンクウサギのぬいぐるみの名前は、やはりオレンジになったと思われます(笑)
理由は頂き物ポケスペ小説の中の、デュオ部長よりいただいた『迷子』参照〜☆