何も言わずにただ俯いて座り込み、呼吸すらか細い主人に、ピカチュウは不安げな視線
を向ける以外何も出来なかった。
 ホアンはある場所にいた。そこは彼女にとっては、悪い思い出しかない場所だ。思い出
と呼べるのかどうかも怪しいが、その場所は………2年前に殺されたらしい彼女が、偶然
息を吹き返し、目覚めた場所。気が付けば、この世にたった一人になっていた…その場所
だった。

 ―怖い。

 何が怖いのかよくわからない。自分を殺そうとしたワタルが怖いのか。
 もう役に立たないと、目障りだからと。切り捨てられそうになった事が怖いのか。

 ―怖い。

 顔を上げるのが怖い。このまま全て真っ暗になってしまえばいい。
 でもそれはおかしい。
 自分は死にたくなかったから、怖かったから…逃げ出したのでは、なかったのか。

 ―怖い。

 目を開けるのが怖い。自分が何処にいるのか認めるのが怖い。
 何でここにいるのかを、考える事が怖い。



 どうして………。



 ―だって、ここは。
 死んだ私の代わりに、イエローが創られた場所。私が死んで、イエローが生まれた場所。
 …ああ。そうだ。
 どうしてさっき、イエローは私をかばったのだろう。
 どうして2年前とは逆なのだろう。
 どうして私が、私の死んでいる所を見る事になってしまったのだろう。


 ―喜べばいい? これで私はイエローに戻れるって、喜べばいいの?


 膝を抱えるホアンの肩が強く震え出した。
「やだ………」
 泣き出しそうな声をようやく搾り出した主に、ピカチュウが同じく、泣き出しそうな目
を向ける。


「やだ、よ…………置いて、いかないで……」
 そうだ。2年前と同じ。今の私にはもう何処にも、行く当てがないから。
 だからここに来た。今と同じように…何もかもなくしたこの場所に来たんだ。


 何もかもをなくして…………とても大切なものを手に入れた、この場所へ。


「やだよ、イエロー……死んじゃ、やだよぉ………!」


 …だから、逃げ出した。何よりそれが怖かった。そんな現実は見たくなかった。
 ―居場所をなくす事には慣れている。もう帰る所がない事実なら、受け入れられる。
 物凄く辛い事だけど………2年前に、一度耐えたのだから。今度も何とか耐えられる。

 でもこれだけは。求め続けた半身を失う事だけは。
 自分には家族も何も無い代わりに、イエローがいる。その拠り所を失う事だけは…。

「ウソだよ、全部ウソ…!! イエローを殺そうなんて思ってなかったよ…!!」

―だって。ホアンにはボクを、殺す理由がないから。

「……何で今頃わかるの、バカ…!! 私のウソつき…!! 何で今頃…今頃になって…!!」

 もっと早く、気付けば良かった。強くなろうと願った自分…イエローに戻りたかった自
分。でもそんな願いより何より、大事だった思いがあったなんて。

―いつか2人で森を守ろうね、イエロー。それなら私は…ホアンのままでいいから…。

「私は、ホアンでいいから………戻ってきてよ、イエロー………」
どうして忘れてしまっていたんだろう。強くなる事にだけ必死で、その根本の願いを忘れ
ていた。一体この力は誰のため。強くなりたかったのは何のためだったのか。強くなるた
めだけに、自分自身すら騙していたなんて……そんな強さなんて、何になるのだろう。



「…大丈夫。イエローは、帰ってくるよ」



 ハッと顔を上げたホアンの前に。懐かしい人物の姿があった。
 そこに立っていたのは、ホアンのよく知っている人だった。



「自分を責めないでいいよ。…君は君に出来る事をすればいい」



 そうして、差し出される手。光溢れる世界への道。
 手に入らないからこそ願った、ずっと憧れていた……陽の当たる場所。

 ―それからホアンは、ある事に気付いた。ピカチュウ以外にも自分を追ってきていた影
があった事に。
 そして、それが………おそらくは本当の、'彼'の意思であっただろう事に。

                                       *

「…意外だな。まだもっているのか、あいつら」
ワタルが楽しそうな声をもらすのに、イエローは反論する事が出来なかった。
 呼吸が辛い。ゼェゼェと鳴る喉をどうしても静める事が出来ない。

―いい? 今のあんたは戦える体じゃないのよ、イエロー!!

 今現在。カンナとクリス、シバとゴールド、キクコとブルーが対峙している。しかし1
対1では裏世界の実力者中の実力者、四天王に勝てる算段はほとんどなかった。こちら側
での最強だった者・レッドや、グリーンのレベルとなってようやく、何とか相手が出来る
連中だ。この場所へ来る前に前国王派から奪ったファイヤー、サンダーがいなければ、も
うとっくに力尽きていた事だったろう。

 そして。おそらく一番戦闘経験の拙いイエローが、1番の強敵であるワタルと対峙して
いる。

「お前もその体でよくやる。助かるために、何らかのポケモンと融合するだろうとは思っ
ていたが…まさかそれが、フリーザーとはな」
何故そんな事になっているかと言えば、まさに理由はそれだ。ワタルが融合したポケモン
達は、ドラゴン、エスパー、地面&飛行……悉く氷を苦手タイプとするものばかりだ。そ
れなら現在、少しでもワタルを抑えられるのは、フリーザーと融合したイエローしかいな
い。

 しかし…。

 フリーザーが全く、言う事をきかない。マサラの血を取り込んだワタルと違って、自分
にはトキワの血だけ…フリーザーの心はわかるが、自分の心を伝えられない。言う事をき
かせられないし、理解させられないのだ。
 だから力ずくで。とにかく冷気をでたらめに放出させて、ワタルをその一部に巻き込む
事しか出来なかった。

「いいのか? そのペースで力を使い続ければ、いくら伝説のポケモンといえど力尽きる
時が来る。…その時何が起こるか、わからないわけではあるまい?」

―フリーザーの力を使い切れば、重症を負ったあんたを支える生命力が切れるって事よ!
今のあんたは、傷が治ったわけじゃない。フリーザーの命で誤魔化しているだけの、本当
は死んだも同然の体なんだから…!

 ブルーは泣きそうな目で、戦うなと止めた。確かに見かけだけは、イエローの体は回復
している。…が、それはフリーザーの体で補完されているからであって、ダメージ自体が
消えたわけではないのだ。
 けれど他に、どうすればいいと言うのだろう。今の自分の手持ちのポケモンで、ワタル
を止められるレベルのものはいない。一応全て場に出して自分のサポートをさせているが、
自分の中にいるフリーザーが、結局は一番強いのだ。そしてワタルを抑えていなければ…
1対1で辛うじてやっと戦いになる、ブルー達が危ない。

「………。……―悔しくはないか? イエロー」
「…―え?」
ワタルが攻撃の手を休めたので、まだ呼吸の整わないイエローも、とりあえずワタルから
間合いをとった。
「お前達が滅びるのは最早、時間の問題だ。お前が命をかけて守ろうとしている連中も、
俺がとりこんだレッドも、全て。お前は何も守れず、何も救えず…フリーザーを巻き添え
に、無駄死にするだけだ」
「……それ、は…」
「力があれば、守れただろう。俺達のような無法者から、仲間もトキワも…それらを守り
たいと願う、自分の心も。何かを守りたいと願う者には、力が必要なんだ。逆に言えば…」
ワタルは厳しい目をして、イエローの目を直視した。
「力の無い者が、何かを守りたいと願う資格はない。そして国というものの上に立つ資格
もな」
お前に王の資格は無いと。そしてガーディアンの資格も無いと、彼は貫くような声でそう
言っている。

「―見ていろ。お前の非力故に、無様に死んでいく奴らの姿を」
イエローはハッとして、地上に振り返った。地上では……ついにブルー達が、力尽きて追
い詰められようとしていた。そう…次の命令を出された時が、彼女達の命が尽きる時。
「この結果を招いたのはお前だ。自分でもわかっているだろう?」
「っ…!!」
「俺はトキワを掌握し、更なる力を手に入れる。俺に出来ない事が無くなる日まで、力を
求め続ける。それが上に立つ者の使命だ……守る者の、絶対的な義務なんだ。」
「…ボクは……戦いなんて、したくない…!!」
それをきくと。ワタルは心底呆れたように、ふう…と、溜め息をついた。
「力が無ければ何も出来ない。世界はお前達みたいなお人好しばかりじゃないんだよ。力
には力で対抗しなければ、勝負にならないだろう? 自分が戦いたくなくたって、戦わな
ければいけない時はいくらでもあるんだ。…その時のために…たとえ好きでなかろうと、
力は持っていなければいけない」
それを教えてやる…と、彼は。カンナ、シバ、キクコの3人に向かって、命令を出した。

―殺せ、と。

「彼らの次は、俺に逆らうトキワの者全員だ」
「あ…!! …みんな……!!!!」
蒼白になったイエローが、羽ばたく力も失いかけたその時だった。


「―生憎。そう何もかにも、自分達の都合通りに進むと思うなよ」
カンナ達の凶刃は、新たに現れた者達の手によって、すんでのところで止められていた。

「…ちょっと!! 遅いわよ、グリーン、シルバー!!」
もー!! と、危うく殺されるところだったブルーが怒りの形相で立ち上がった。
「今回ばかりは本当にダメかと思ったじゃないのーーー!!」
「仕方ないだろ、こっちだって予定外の事が重なったんだからな」
グリーンは何故かかなり不服そうに、ブルーの方を見ている。ブルーは少し気まずそうな
顔をして身をひいた。
「…姉さんには何か考えがあったんだ。さっきそう納得したはずだ」
ぎろりとシルバーがグリーンを一睨みする。何の事かはさっぱりわからないが、イエロー
は心底ほっとした。とにかく何とか今は、ブルー達が死なずに済んだのから。

「…フン。運のいい奴らだ」
軽蔑するようにワタルが吐き捨てた。地上では新たに現れた内、グリーンがシバと対峙す
る。シルバーはブルーと共に、キクコに向かう。シバの相手をグリーンに任せたゴールド
はクリスの所へ駆けつけ、共にカンナに対峙する。
「運だけで全て、乗り越えられると思うなよ。俺が存在している限り、お前達に明日など
ないのだからな」
ワタルは攻撃を再開した。イエローも咄嗟に、力に力をぶつけ、軌道をそらしてやり過ご
そうとするが…。
「―俺を殺せるか? イエロー」
「―え?」
「忘れてはいないだろう。俺の中にはレッドがいるという事を。レッドもお前の大事な仲
間だろう? ならお前には、俺を殺せない。…違うか?」
それはつまり、俺を止められずにお前が死ぬという事。そう言ってワタルは、大きな力の
塊をイエローにぶつけた。イエローはそれをそらしきれず、地上に叩き落された。
「がっ…!!!!」
ポケモンと融合して、頑丈になっている体のおかげだろう。呼吸が一瞬止まるだけで済み
はしたが、ワタルはそんなイエローを、まるで哀れむように見下ろしている。
「お前の仲間はどうかな。レッドのために、やはり俺を殺せないか?」
「………」
「守りたい何かのために、邪魔なものを全て壊す勇気も…大切なものでも、犠牲にする覚
悟も。…お前達には、ないだろうな」
そんな事以前に、言いたい事があった。しかしなかなか、声を出せるまで息が回復しない。
「恨むのなら、この世界の摂理を恨むがいい。弱い者は駆逐されるしかないこの不完全な
世界を。力と力で互いを牽制し合うしかない、救われない生き物達を…」
 そうして再び、ワタルがその手に力を込めた時だった。

「……救、われ…ないの、は。…あなただ……ワタ、ル」

 やっと声の出せたイエローが、何とか起き上がりながら。真っ直ぐな目をして、ワタル
に向かってはっきりと言った。

「…?」
「あなたは…力しか、信じられなくなって。世界で一番、わかりやすい道に逃げ込むしか
なかった…わかりやすくて辛い道しか選べなかった…救われない、人」
イエローは、憐れむのでもなく怒るのでもなく。ただただ…哀しそうだった。
「でも、ワタル。あなた一人がいくら強くなっても……消えない。世界は、運命は決して
…たった一人の望む事に、従ったりしない。あなたが払おうとする不条理や悲しみは…い
つまでたっても、消える事なんて有りはしない」
それは。レッドをとり込んだ彼に対して、ブルー達を殺せと命じた彼に対して。どうして
そんなふうに話す事が出来るのか、不思議なくらいに落ち着いた声だった。
「ボクも、前は思った…力があれば、守れたのにって。レッドさん達を戦いになんか、巻
き込まずに済んだのにって」
けれど。そんな事は、元々有り得ない。
「でも、ボク一人じゃ、いくら強くなったって…止められないんだ。動き出した歯車は、
誰にも止められない。だからボクは、いつも…自分の心に正直に、自分に出来る事をしよ
うって。そう…決めたんだ」
―力があれば、何とかなるって言うけれど。その力を使うのは結局、誰なのだろう?
「何をやっても無駄かもしれないし、間違いだってあるかもしれない。でもボクは、失う
のが怖いから戦う……確かにこれは、勇気じゃない。恐怖を無くしたいだけの、弱さだと
思う。けれど………」

―…自分自身でいちゃいけないんだって思うのが、こんなに辛い事だなんて…―

 自分を殺して、自分でなくなる事の辛さ。あれはもう二度と、味わいたくなかった。力
を信じて力にすがり、力で力と牽制し合う事は。―自分自身の願いを、殺す事だ。
「失う事も、自分を殺す事も。どっちも辛い事なら、ボクは……少しでも光が見えるなら、
恐怖に抗う事を選ぶ。失いたくないためなら、その時だけは戦う」
それは結局、失う道かもしれない。自分を殺して要領良く立ち回る方が、失わずに済む事
の方が多いかもしれない。
 だからこれは愚かな選択。本当に失いたくないのなら、まだしも確率が高いのは、自分
を殺して、力を求め戦い抜く道を選ぶ事。それは全てを守る、王としての義務でもある事。

 …けれど。
「…ボクは、力だけなんて信じない。力があったって、失う時は失う…自分に持てる以上
の力を求めて、自分以外を沢山巻き込んで…それで壊す事ばかりなんて、絶対嫌だから」
「………」
「必要なのは、それだけです。ボク自身の…自分のために、戦う覚悟だけ。それなら自分
に扱い切れない力なんて、ボクはいらない」

―だって。全てを守る事なんて、最初から出来はしないのだから。

 それをきくと、ワタルは顔をきつくしかめる。これだけの力を持った自分が、あっさり
とこの場にいる全員をたたんでしまわないのは……力が大き過ぎて、扱い切れていない。
そう言われたようで、不快だった。
「確かにボクは…こんな勝手な考えじゃ、王になんてなれませんよね。ボクが救えるのは、
ボクだけかもしれない…それも、無理かもしれない」
後悔しないように、自分の心に従って。それでも自分の心すら救えない事態だって、待っ
ているかもしれない。
「でも、その結果は全部。ボクに与えられた運命に、ゆだねることしか出来ません」

―少なくとも今は…今だけは。信じているから…こんな自分でも好きだと言ってくれた、
レッドの事を。

「…こんな事に、なっちゃったけど。ボク、今…幸せですから…」

 にっこりと。ワタルに微笑みかけるイエロー。
「後、訂正します。ボクは、たとえあなたの中にレッドさんがいなくたって」

―あなたの事は、殺せないと思います。

 そしてイエローは、再び。その背の翼をはためかせ、ワタルのいる場所まで戻った。地
上ではどうやら、グリーンとシルバーの加勢によって、状況は少しずつ打開出来ているよ
うだ。


「……愚かな。お前はつまり、強くなる努力を捨てて、諦めただけの話だろう」
「―そうですか? ボクだってやっぱり…辛い事や哀しい事なんて、出会いたくない。で
もボクの力で出来る事なんて、ほんとにちっぽけなんです」
ワタルが繰り出す、複数の属性を一つにまとめたとにかく大きな力。それを大量の冷気で
とにかくやり過ごす。
「本当に諦めて、絶望しているのはあなただ。だからこんな事を始めて…もう、自分じゃ
止められないんでしょう?」
「何を根拠にそんな下らぬ事を!!」
更に強い力がぶつけられる。イエローは限界を感じながらも、とにかく受け流す。自分の
中のフリーザーが文句を言っているのがわかった。―これ以上は無理だと。イエローが死
ぬ時、それはフリーザーの死をも意味しているのだから。
「もういい。…森のために生かしておこうかと迷った俺が愚かだった。―死ね」
ワタルの目は本気だった。地上の方の様子も一瞥して、ちっと舌をうつ。
「奴の力を、借りる事になるとはな…―出ろ!! 地上の獲物は、お前にくれてやる!!」

 すると。
 その声と同時に、派手な地響きが鳴り響き、あちこちから地割れが起こり出した。

「―!!? 何だ…!?」
四天王を現在、逆に追い詰めていた地上メンバーは個別に分断される。その状態で新たな
敵と対峙する羽目になってしまった。

「あれは…サイドンにニドキング、ニドクインか…!!?」
地割れから次々に現れるポケモン。シバをやっと倒そうとしていた時の不意打ちに、日頃
冷静なグリーンですら、焦り顔となった。…何故なら。

「トキワ…前国王…!!!!」

 沢山の地面属性のポケモンを連れて、その場に現れたのは。
 トキワ城攻略の際、ついに姿を見せる事のなかった、前国王派の総元締め…トキワ前国
王・サカキの姿だった。

 再び、絶対絶命。
 トキワ前国王がこの場に現れた事に対して、イエローの頭に浮かんだのは、まずその一
言だった。トキワ前国王の実力は、その名を知る者なら誰もが知らずにはいられない…。
軍事大国だった以前のトキワの中で、最も強いのが…その王だったのは当たり前の事実。
「―情けない話だな、ワタル。未来のトキワ王がこの程度の奴らも駆逐出来ないとは」
くくく…という感じで、サカキは地上メンバーを見据えている。彼はこの時のために大量
のポケモンを用意していたようで、四天王戦で消耗した地上メンバーには、正直きつい相
手だ。四天王だってまだ、倒しきれてはいないのだから。

「命運尽きたな。―理解したか? お前の言う選択の結果とは、こういう事だ」
ワタルはあえてサカキは無視し、イエローに淡々と言う。サカキなどあくまで、ワタルに
従う他の四天王と変わりは無い…それを見せつけたいようだ。
 サカキとワタルの契約は、トキワの王座と、重大な事に対する最終決定権をワタルに。
そしてトキワの政治を動かす宰相の役は、サカキに譲るという事だ。
「ある意味奴は奥の手だったが、仕方がない。お前達がしぶとい事だけは認めてやろう…
―でも、それもここで終わりだ」
「……!」
地上では大規模な地震が起き、地上メンバーが今にも地割れにのまれそうだ。空ではワタ
ルがイエローに対して強い力を放ち、イエローはもうその威力を殺しきれない。
「あああああああ!!」
飛ぶ力が無くなってしまった。次に攻撃を受ければ、多分体がもたないだろう。
 そしてイエローは、ゆるやかな弧を描いて地面へと墜落していく…。



 ―ああ。今度こそボク、死んじゃうのかな…。

 レッドさんもブルーさん達も助けられずに。
 …ホアンも一人…暗い森に、残したまま…。



 …。



 ………。



 ………………。



 ――――――――――――?



 いつまでたっても、地面に叩き付けられたような気配がない。今、イエローを助けに迎
えるような余裕のあるものは、地上メンバーの中にはいないっていうのに。

 イエローは誰かに抱きかかえられ、体がまだ空の中にある事を感じた。
 うっすらと目を開けてみる。
 すると、そこには………自分を助けた者が、安心したような顔で微笑んでいた…。

ハイ、14話です。大した見せ所もないままあがりです。
つくづく、一気に書くもんじゃないと思った………見直すのが本当鬱作業でした(××)
ワタルの過去に何があったのか、なんてきかないで下さい。…だっておりにもわかりませんから(オイ!!)
ご想像にお任せします〜〜(限りなく都合の良い台詞) 描写不足多過ぎです(死)
しかも何だかポケスペらしからぬ微妙シリアスの連続、スミマセンです、ハイ…;
戦闘シーンも全然マトモなのが無いのは、攻略本が無いだけではなく、15話完結のためです。
書き出したらキリがなさそうで、またネタが全然尽きそうで。戦闘シーンは難しいのですー↓
そのせいでワタル以外の四天王やブルー達、いてもいなくても同じになってますね…(痛)
ってか全体的にイエローにだけ愛が偏ってるのが丸わかりですよね、ハハハ☆(自滅)
…とにかく次は、やっとこさ辿り着いた最終話!
最後までヨロシクお願いしまーす!! 以上です!!(脱兎)